第7回ネットワークが創発する知能研究会(JWEIN’11)で発表してきた.

第7回ネットワークが創発する知能研究会(JWEIN'11)で,「学術動向を把握するための研究経歴抽出法と予測モデルの提案」というタイトルで発表してきた.

第52回数理社会学会大会(JAMS52)第7回ネットワークが創発する知能研究会(JWEIN'11)合同プログラム
http://www.ai.sanken.osaka-u.ac.jp/ein/jwein_jams_program.pdf


山下長義,沼尾正行,市瀬龍太郎
学術動向を把握するための研究経歴抽出法と予測モデルの提案
第52回数理社会学会大会 第7回ネットワークが創発する知能研究会 研究報告要旨集 pp.103-108, 2011


研究者の研究履歴を用いて学術の動向を把握して,その将来の変化を予測する手法を提案する.同じ時期に多くの研究者により研究分野の変更が行われた場合,研究のトレンドが変化したと考えられるので,科研費の応募データから研究者が採択されていた細目と次に応募する細目を抽出する.応募する細目が基盤研究・若手研究と挑戦的萌芽研究とで異なる場合,基盤研究・若手研究で応募した研究分野をもとに,挑戦的萌芽研究で応募した研究分野で「独創的な発想に基づく,挑戦的で高い目標設定を掲げた芽生え期の研究」が行なわれている.挑戦的萌芽研究での研究課題において大きな成果が得られた場合,基盤研究・若手研究での応募細目から挑戦的萌芽研究での応募細目に研究の基盤が変更されることが期待されるので,基盤研究・若手研究と挑戦的萌芽研究の重複応募状況は研究履歴による学術動向の先行指標となるのである.提案する手法では,(1) 基盤研究・若手研究と挑戦的萌芽研究との重複応募状況,(2) 過去の科研費における研究履歴の2 つを用いて研究履歴の将来の変化を予測する.これにより,高い適合率で研究履歴の将来の変化を予測できた.以上から,研究履歴によって学術の動向を把握し予測することができることが示せた.