第2回 科学者維新塾(御茶ノ水)に参加してきた.

科新塾は 日本の知である理系博士や博士を目指す人達が、独立自尊の志を持って 、 閉塞感のあるこの国を変えようとする仲間の集まる塾です。理系博士をとったあと、 政治家やジャーナリスト、起業家など様々な世界に進むための指南と実践をめざします。


科学者維新塾 御茶ノ水
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第2回(「理系博士が経営者・起業家になる!?」2011年2月26日)は,ナノフォトン株式会社 代表取締役社長 中原林人氏のご講演であった.将来の姿は自分が行動した点と点をつなげたキャリアによって実現されるため,自分の特徴や目標は何であるかを明確に意識することが重要であり,それらが明確であれば迷ったときに乗り越えられるという.ご自身の経歴を織り交ぜながらのお話でとても興味深いものであった.


個人的に興味深かったのは,人を採用する時にもっとも重視する基準が「何もないところから自ら行動して価値を創造することが出来るか」という点である.それを聞き出すためにこれまでの仕事での自分の役割と他人との関わり(誰のために仕事をしてきたか)を質問することで,その人のモチベーションの源を探るのだという.その仕事のエピソードをより深く聞くとさらに分かるのだそうだ.また,一つの専門性だけでなく浅く広くても仕事に必要なことをすべて知っている多能な人材であるかということも重視するそうである.


その他特に印象に残った点

  • 社長になるときに決断して退路を断ために20年間の資料・段ボール20個分を処分して,すがすがしい気分になったというエピソードから,決断することの重要性を痛感した.
  • 博士の価値は,長期間にわたって難しいことをやりとげだ証であり,問題に対する分析力や探求心がより強化されていることである.自分がアピール出来る原点もここにあるのではないかと再認識させられた.
  • 「社長として余裕があると言うことは,将来の目標に対して全力を尽くしていない証拠であるという」お話は,余裕のないポスドク生活を送っている私には心強い一言であった.
  • MBA取得のために通った大学院では「自分の可能性を信じること」を学ばれたという.非常に奥が深く重い言葉である.