第6回 科学者維新塾に参加してきた.

第6回(「理系博士が弁理士・弁護士になる!?」)は,大学で金属工学を学ばれ,企業の知財部におられた後,弁理士・弁護士としてご活躍されている鮫島正洋氏のご講演であった.ご講演の中で私が興味を特に持った「知財弁護士についての3C分析」と,ご自身の経験をもとにお話をいただいた鮫島先生の「これまでの生き方」についてまとめる.


現在鮫島先生が活動されている知財弁護士について3C分析を用いて説明していただいた.

3C分析
・3Cとは、Customer(市場・顧客)・Competitor(競合)・Company(自社)の3つの言葉の頭文字であり自社や事業部等がどのような経営環境に置かれているのか現状を状況を分析し経営課題発見、戦略代替案の発想などに活用するフレームワークである。
http://kotobank.jp/word/3C%E5%88%86%E6%9E%90


鮫島先生ご自身の3C分析は以下のようになるという.

  • Company(自社)→自分の強み

エンジニア・知財部経験があること,工学系知識があること,委員会・政府とのネットワークがあることをあげられていた.

  • Competitor(競合)

多くの弁護士はサービス業としての意識が希薄であり,分析することに終始し顧客が役立つことを説明しないそうだ.

  • Customer(市場,顧客)

知識ではなく戦術戦略を提案し,学や気づきを与えられる専門家になることを目指された.


その結果行き着いた理念は,「テクノロジー・カンパニー」という顧客層でビジネスドメインを既定すること,具体的には知的戦略を立案し,スキーム立案から契約書・実行までを一気痛感でサポートされているという.


また鮫島先生の「これまでの生き方」の話題では,40歳を迎えるまでは自分の可能性を試されたそうで,若い頃は自分の強みを持つことが大切で,やりたいことをやることがよいのだという.40歳前後で弁護士になられた後は,アウトプットをどのように行うかを考え,世の中に自分が何で貢献できるかを常に考えているそうである.マーケットは常に変わっていくのでその変化に常に対応していかなければなが大切なのだという.世の中にあるものは人々の100%の欲求を満たしているものではなく,先駆者が気づかないニーズが必ずどこかにあるとおっしゃっていた.


今回鮫島先生のご講演を聴いて印象に残ったことは,Competitorを意識することの重要性である.自分の強みをどのように活かすかという視点だけでは十分ではなく,競合する立場にある人々との違い意識することによって,世の中と自分の距離が縮まるのではないかと思う.鮫島先生はそれを実践されている.


自分の立場に置き換えてみると,自分の強みは大学・独立行政法人で行って来た7年半のデータマイニングの研究経験である.しかし,大学以外のCompetiterについてあまりよく知らない.そこで,将来自分が就きたい職の1つであるIT系のエンジニアについて知るために「エンジニアとしての生き方 IT技術者たちよ、世界へ出よう!」という本を読むことから,Competitorについて調べ始めようと思う.



科学者維新塾・御茶ノ水
https://sites.google.com/site/kashinjukutokyo/