大学院生・ポスドクが身につけている「コア能力」とは

ポスドクの任期も最終年を迎え,就職活動をしなければならない時期が来たので,「大学院生、ポストドクターのための就職活動マニュアル」を読んでみた.少し冗長なところはあるが,就職活動全般について書かれていて参考になった.



ここでは,大学院生・ポスドクが身につけている能力として紹介されている「コア能力」について記す.「コア能力」とは,以下の8つであると記されている.

  • 課題を設定する能力
  • 課題解決能力
  • 論理的思考能力
  • アウトプット能力
  • 調査能力
  • 評価能力
  • 自己管理能力
  • 粘り強き


その上に,科学思考,データ/文献の使い方などの「基礎的な教養としての知識」がある.さらに,これを土台の一部として,専門分野全般に関する知識や能力があり,その上のわずかな部分に,自分が行って来た研究分野に関する知識や能力があるという.これらの土台となるのが「コア能力」である.この「コア能力」を生かせる職場を,自分の特徴やスキルと合わせて幅広い始点から探すことが重要であると書かれている.


自分自身の大学院生活を振り返ると,議論を踏まえアイデアを洗練させていく過程で「課題を設定する能力」「課題解決能力」や「評価能力」が鍛えられ,論文を書く過程では,「論理的思考能力」や「アウトプット能力」が鍛えられた.必ずしも楽しい記憶ばかりではなく叱咤激励を受けることも多かったが,これらを乗り越えたからこそこれらの能力が鍛えられたのだと思う.

ポスドクの仕事では,大学院の時とは異なる分野で課題を設定し評価を行い,論文を作成した.このような論文作成のプロセスを二度繰り返し実行できたことは自信になる.また大学院のときは,自分がそのとき取り組んでいる課題をこなしていくことで精一杯だったが,ポスドクとして働いている今は,全体を俯瞰し次に何に取り組むべきかを考え,少し余裕を持って仕事に取り組めているような気がする.


このようにリストアップされると自分の強みを明確にでき,社会と自分との距離を縮めるきっかけになるのではないだろうか.